2014年10月18日星期六
冬虫夏草
冬虫夏草(とうちゅうかそう、ふゆむしなつくさ、Cordyceps sinensis (Berkeley) Saccardo)は、ガの仲間に寄生するキノコの一種。中医学・漢方の生薬や、薬膳料理・中華料理などの素材として用いられる、いわゆる「天然物」の冬虫夏草は、チベット等に生息するオオコウモリガの幼虫に寄生して発生するコルディセプス・シネンシスを指す。日本では、子嚢菌門核菌綱ボタンタケ目バッカクキン科冬虫夏草属の菌類全般を冬虫夏草と呼ぶのが一般的で、コルディセプス・シネンシス以外にも500種程度存在すると言われている。[1]
別名を「中華虫草」ともいう。「冬虫夏草」の名称は、チベットで古くに、この菌が冬は虫の姿で過ごし、夏になると草になると考えたことから名付けられた。チベット文字での呼称「དབྱར་རྩྭ་དགུན་འབུ」を漢語に直訳したものが「冬虫夏草」である。
分布[編集]
チベット高原やヒマラヤ地方の海抜3,000mから4,000mの高山地帯で、草原の地中にトンネルを掘って暮らす大型のコウモリガ科の蛾であるHepialus armoricanus Oberthur(中国語: 蝙蝠蛾)の幼虫に寄生する。中国の行政地域で言えば、チベット自治区、青海省、四川省を中心に、雲南省、甘粛省、貴州省などでよく見られ、夏に採取されている。
この種の蛾は夏に地面に産卵し、約1か月で孵化して、土にもぐりこむが、このときに冬虫夏草属の真菌に感染すると、幼虫の体内で菌がゆっくり生長する。幼虫は約4年で成虫となるが、幼虫の中で徐々に増えた菌は、春になると幼虫の養分を利用して菌糸が成長を始め、夏に地面から生える。地中部は幼虫の外観を保っており「冬虫夏草」の姿となる。
利用[編集]
冬虫夏草の乾燥品
中国では冬虫夏草の子実体を菌核化した宿主をつけたまま採集して乾燥し、漢方の生薬もしくは中華料理の薬膳食材として珍重してきた。 四川料理における利用では、下ごしらえをしたアヒルの腹に湯で戻した乾燥冬虫夏草を詰め、ネギ、ショウガ、紹興酒など加えてじっくり煮るスープ「虫草鴨子」(チョンツァオヤーズ)が最も著名である。他にも、スッポン、アワビ、雄牛の生殖器などと煮込む料理も供されている。冬虫夏草はこれらの料理としてじっくりと煮戻しても、あまり柔らかくならず、味らしい味も感じにくい。
冬虫夏草を食材とする文化は本場中国だけにとどまらず、中国周辺の地域にも伝播している。例えば、朝鮮半島では、亀や冬虫夏草などを用いた八卦湯(パルガタン)という料理が存在する。
他に、生薬として健肺、強壮効果、抗がん効果があるとも言われ、薬酒を作る材料として、また、健康食品としてのエキスを抽出するのにも利用される。董艶梅、姜波、曲雲霞ら、馬俊仁コーチが指導した馬軍団所属の陸上競技選手は冬虫夏草エキスを摂取して好成績を残したとも言われる。
高値で取引される冬虫夏草の採取は、高原で生活するチベット人にとって、貴重な経済的収入源の一つとなっている。一方で、高値で取引されるため、別の種類の虫草を偽って販売することや、形の似た植物や石膏で作った偽物を販売して問題となる事例もたびたび発生している。また、販売の際はグラム単位で値がつけられているため、最近では金属粉を塗ったり液体を注入するなどして重くして販売されている例があり、例え本物でも混入物の影響で健康被害が出る可能性もあると報道されている。
日本では、食品、医療品のメーカーなどが大学や研究機関と協力して、品質と安全性に配慮した人工的に培養した冬虫夏草を生産、商品化する事例も見られる。中でもサントリー、興和などが製造、販売しているサプリメントや、にちはら総合研究所が島根県津和野町で生産している津和野式冬虫夏草などが知られている。
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