2014年10月1日星期三
菅賢治氏の『笑う仕事術』とは? 今だから明かせる「ダウンタウン」「笑ってはいけない」「ガキ使」の裏話
●『笑ってはいけない』は「放送前に40~50回は見る」
菅賢治という名前は知らなくても、"ガースー"と聞いたらピンとくる人も多いのではないか。『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(以下『ガキ使』)や、大みそかの『笑ってはいけない』(以下『笑いけ』)シリーズに自ら出演する、あの名物プロデューサーだ。
そんな"ガースー"が今年3月で26年勤めた日本テレビを退職し、現在はフリーとして活動しているという。聞けばすでに「ずっとやりたかった番組」を動画配信し、8月には初の著書『笑う仕事術』を出版するなど、精力的に活動しているとのこと。
日ごろ、「くだらないが最上のホメ言葉」と話す"ガースー"は、大きな肩書が取れた今、どんな番組を作り、どんな本を書いたのだろうか? さらに、なぜ日本テレビを退職したのか? 今後『ガキ使』や『笑いけ』はどうなってしまうのか? など気になることは多い。ダウンタウン、太田光、上田晋也らとのエピソードを交え、3回にわたって尋ねていく。
○25年間、オリジナル一本勝負!
第1回のテーマは、著書『笑う仕事術』とダウンタウンとの裏話。"仕事術"と言われると、何だか難しそうで"ガースー"のイメージからほど遠いが……と思っていたら、「本の内容は失敗談ばかりだから」と笑い飛ばされた。「視聴率をとる方法なんて知っているやつはいないし、いたらそいつは嘘つきだから(笑)。僕らは失敗している経験則でものを言うしかないんですよ。まあ、飲み屋で若手に話しているようなものですね」と話す。何とも力の抜けた人なのだ。
まず聞きたかったのは、プロデューサーとして番組出演する理由と心境。ディレクターの"ヘイポー"(斎藤敏豪)とともに何度となく『ガキ使』に出演しているが、"内輪ネタ""楽屋オチ"というアンチの声があるのも確かだ。
しかし、"ガースー"は、「僕ら裏方は浜ちゃん(浜田雅功)が瞬時に凄いツッコミをしてくれるから出るし、成立しているわけです。僕や"ヘイポー"なんて単体で見たら面白くも何ともないのは分かっているし、保険がかかっているから出演できるんですよ。そういう関係性があるから内輪ネタや楽屋オチではなく、ダウンタウンの笑いだと言い切れます」と冷静に返した。
思い出すのは網浜直子を迎えた"ヘイポー"のガチお見合い企画。"ヘイポー"の尻にローターを仕込むなどダウンタウンの容赦ないイタズラやツッコミが炸裂していたが、もしこれがタレントだったら"ガチ感"が薄れていただろう。つまり裏方が出演するのは、「タレントよりもスタッフを起用した方がずっと面白くなる企画だけ」なのだ。
"ガースー"は、その『ガキ使』が約25年間も続いている理由を「オリジナルにこだわっているからだと思います。絶対に人マネはしたくないし、この番組にしかない笑いがあるから続いてきた」と分析する。そんなスタンスだからこそ、「山崎邦正vsモリ夫」「ハイテンション・ザ・ベストテン」「七変化」「ピカデリー梅田」「お金がないから屁を出そう」など、『ガキ使』でしかありえない企画が生まれてきたのだろう。
そういえば、『笑いけ』が大みそかに進出したとき、「カウントダウンではなく、録画放送で年越しするのは日本テレビ開局初」という斬新さが話題になっていた。"ガースー"にしてみれば、「だって『カウントダウンしなきゃいけない』ってのもおかしいし、『ダウンタウンの方が絶対に面白い』と思ったから」という理由でしかないようだ。
○『笑いけ』は40~50回見てチェック
"ガースー"は、自ら手がけるコント番組やマジック番組の「リハーサルに行きたくない」と言うらしい。その理由は、「決して駄々っ子だからではなく、心の底から『すげえ!』と言ってハシャぎたいから。だから、よくあるマジックの"ネタばらし"番組って大嫌いなんですよ。バラしてどうすんの? 誰も得しないし、ハシャいだ方が幸せじゃないですか」と力説する。「視聴者の人って初見ですよね。だから初見のインパクトが一番大事だし、何度も見ると何が面白いのか分からなくなっちゃう。大みそかの『笑いけ』はまさにそうで、最初に見る画質の粗いものは、僕自身ひっくり返って笑っています(笑)」。"視聴者目線を意識するためにプロデューサー自らハシャぐ"という姿勢は、いかにも"ガースー"らしい。
しかし、ここからがプロの仕事。「『笑いけ』は放送までに40~50回は見ます。収録は11月中旬で、12月20日くらいまでに最初の映像が上がってくるのですが、最近は一回6時間分ありますからね。でも、ホンネはロケにも行かないで、『大晦日に酒とつまみを用意して初見で見たい』という気持ちです。『だったらスタッフじゃねえよ!』って言われるけど(笑)」。実際、当初は"ガースー"と"ヘイポー"が中心で作っていたが、最近はネタ選びにすらほとんど口を出さないらしい。それでもすさまじいスケジュールには違いない。
「あの撮影は生で24時間撮るようなもので、撮り直しは一切ありません。それで1千万くらいのセットがパアになってもしょうがないし、『ごめんなさい。もう一回』はないんですよ。過去に大仕掛けのネタでシャレにならないスベり方をしたことが何度かありますが、それはオンエアしてないですもん(笑)」。撮影当日は打ち合わせどころか、あいさつすら一切なく、ダウンタウンらを現実に引き戻すことのないようにカメラを回し続けているという。要は「ハイ、ここで休憩入れるんでカメラ止めます」がなく、スタッフもトイレなどで顔を合わせないように徹底しているらしい。
●出身大学が黒く塗りつぶされた日テレ入社試験
○カラオケでダウンタウンから悪口雑言
著書の中で特に面白いエピソードがあった。"ガースー"たちは、打ち上げのあとによくカラオケに行くようだが、決して普通には歌わないらしい。そもそも行くのは普通のカラオケボックスではなく、わざわざ一般客もいるステージつきの店。そこでダウンタウンの2人も歌うため、相当盛り上がるという。
「浜ちゃんが一曲目を歌ってワーッとなるんですが、そのあと僕らスタッフは『誰やねんオマエ!』『出てけ!』とか悪口雑言のツッコミを浴びるためだけに歌うわけです。だから、それをより強く言われるための曲選びはハードルが高いし、収録も遊びもそれくらい真剣に笑いを求めているんですよ。最後は"ヘイポー"が必ず大橋純子さんの『シルエットロマンス』を歌うんですが、1番はみんな手を左右に振って乗っているんですけど、2番になったら『はい、おつかれさんでした』と言って本当に帰ってしまいます。お客さんたちは、『これどういう状況?』って顔をしてるけど、"ヘイポー"は何事もないかのごとく歌い上げて『どうもありがとうございました』と言って帰ります。『何のためにやってるんだよ』って言われたら、『それがパッケージだから』としか言えませんが、そういう風にじゃれ合ったら面白いかなって」。
他には髪の毛の薄いスタッフをイジるために、「ハゲ!ハゲ!ハゲ!」コーラスで盛り上がるネタもあるらしい。ちなみに、「松ちゃん(松本人志)は、嫌がるから勝手に『明日があるさ』を入れるときがあります。『エエ~、もう~!』って言いながら渋々歌うんですよ」とのこと。もう『ガキ使』のイメージそのまんまだ。
ともあれ、"ガースー"が言いたかったのは、「サラリーマンの人も同じ」ということ。「たとえば、上司や先輩たちとカラオケへ行ったとき、『口火切って誰が歌うのかな?』と言うときの『な』でイントロがかかるように設定しておいて歌いはじめたら、『コイツは空気読めるわ』って株が上がるし、場も盛り上がりますよね。でも、『口火を切って誰が歌うのかな』と言って、そこからみんなで本を広げてしばらくして『誰も歌わないなら自分が歌います』と言う人がいるけど、『どっちみちお前が歌うんなら最初からスタンバイしとけよ!』という話。『歌いに行ってるんだから徹底的にやれ』ってことです。『オレもオレも!』となるか、『この状況でオレは歌うの?』となるかで盛り上がり方が大違いですからね。テレビ業界だけでなく、どんな業界でも最初のノリは大事だと思いますよ」。仕事も遊びの1つだから一生懸命やるのが"ガースー"流なのだ。
○日テレ入社試験は学歴より楽しさ
意外だったのは、実際に会った"ガースー"がマジメな人だったこと。「昔の人たちは『しょせんテレビのやることだから』と見下していたわけですし、『バラエティ番組なんかをマジメに見るなよ』と思いますね。こちらも『生活の役に立とう』なんて思っていないですから」と軽口を飛ばす一方で、礼儀や行儀を重視する人物像がうかがえた。
「番組に引っ張り出されているときとは180度違うんじゃないですかね。芸能界の偉い人たちのコンペに参加すると、お昼ご飯のときに『マジメな人なんだね』と言われますから。結局、社会に出たら人に好かれなきゃいけないじゃないですか。人様に好かれることが最大の武器だし、どんなに仕事ができても、好かれなかったら仕事って回ってきませんから」。日本テレビ時代、後輩たちを「仲間」として大事にしつつ、礼儀や行儀を教えてきたという。
さらに、「昔の会社をヨイショするつもりはないけど、日本テレビの入社試験ってよくできているんですよ。『こいつが部下だったら楽しいだろうな』『一緒に仕事するときにいたらうれしいな』って人を選ぶことになっていて、出身大学が全部黒で塗りつぶされています」と10年以上入社試験に関わってきたことを明かしてくれた。タレントのみならず、スタッフからも愛されるキャラは、そのルーツによるところも大きいのだろう。
第2回のテーマは、ガースーが手がける「ずっとやりたかった」「今までに見たことのない」新番組。『太田と上田』『発掘!ブレイクネタ 芸人!芸人!!芸人!!!』の裏話を尋ねていく。「地上波では見せない太田光と上田晋也の素顔はどんなものなのか?」、乞うご期待。
■菅賢治(すが けんじ)
1954年11月27日生まれ。長崎県佐世保市出身。日本大学藝術学部卒業後、日本テレビエンタープライズ(現・日テレアックスオン)のアシスタントディレクターとなる。1988年に日本テレビに入社。プロデューサー・ディレクターとして、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』『恋のから騒ぎ』『おしゃれカンケイ』『躍る! さんま御殿!!』『笑ってはいけない』シリーズなど数々の大ヒット番組を手がける。2007年以降は制作局次長、制作局総務兼バラエティーセンター長、制作局長代理兼チーフプロデューサーなどを歴任。2014年3月に日本テレビを退職。現在は「BRAIN BROTHERS GAASU ENTERTAINMENT」のプロデューサーとして活躍中。
聞き手・文=木村隆志
コラムニスト、テレビ・ドラマ評論家、タレントインタビュアー。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴する重度のウォッチャー。雑誌やウェブにコラムを提供するほか、取材歴1000人超のタレント専門インタビュアーでもある。著書は『トップ・インタビュアーの聴き技84』など。
bvlgari 時計
ジーショック
フォッシル
ハミルトン 時計
ルミノックス
ニクソン
noon 時計
rolex エクスプローラー
vivienne
paul smith 時計
フォリフォリ
订阅:
博文评论 (Atom)
没有评论:
发表评论