【オウム公判】元エリート医師、今も事件を悔いる 「私はもう先生じゃないから」

　５日の高橋克也被告の裁判員裁判に証人出廷した林郁夫受刑者。 　かつてのエリート医師は事件への関与を涙ながらに恥じた。 　「医師の知識や経験を使い仮谷清志さんを死亡させ、ご家族に表現できないつらい悲しみをさせ本当に申し訳ない」 　検察官から事件についての思いを聞かれた際、林受刑者は涙ながらに答え、検察官席後ろに座る仮谷さんの長男の実さん（５５）に頭を下げた。仮谷さんが拉致されて教団施設に運び込まれる状況について質問された際にも、すすり泣きしながら約２０秒間沈黙した。 　この日は丸刈り姿で灰色のスーツを着て出廷。事件後に医師免許は抹消されたが、元医師としての豊富な医学的知識を披露する場面が何度もあった。ただ、弁護側から「先生」と呼ばれると「ちょっと私はもう先生じゃないから」と感情をあらわにした。 　慶応大医学部を卒業後、米国の名門病院に勤務し、帰国後には国立病院の医長を務めた元心臓外科医。平成２年に家族４人で教団に出家し、優秀な医師としての手腕を買われて「治療省」大臣を務めた。麻酔薬を使ってスパイの疑いのある信者に尋問したり、記憶消去などを行った。 　地下鉄サリン事件では散布役となったが、逮捕後に全面自供し、事件の全容解明の突破口となった。１０年の１審東京地裁は自首を認めて求刑通り無期懲役判決を言い渡し、確定した。サリン散布役では唯一の無期懲役刑となった。 マンハッタンパッセージ クラークス moncler ダナー north face リーガル fred perry チペワ lee